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マイクロマウス2012

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「マイクロマウスハーフサイズ競技」レポート

~こじまうす7が連覇。効率のよい全面探索で最短走行を発見!

【画像1】第33回全日本マイクロマウス大会ハーフサイズ競技


ハーフサイズ競技には、33台がエントリーした。予選の上位14位までが決勝への進出権を得て32区画の巨大迷路に挑んだ。決勝では1位~3位がそれぞれ違う最短コースを走破。4秒991で、「こじまうす7(小島宏一氏/京都大学機械研究会)」が優勝した。

予選と決勝の迷路は次のとおり。決勝に関しては、最短経路の歩数が提示されていなかった。

【画像2】予選迷路。西回り51歩14折、南回り 51歩36折

【画像3】予選風景


【画像4】決勝迷路。最短経路は、動画を見てのお楽しみ!

【画像5】決勝風景。


今大会の決勝迷路は、史上最大の渦巻きが作られていた。大会中に「ラーメン」と愛称がついた渦巻きは、「普通の探索をしていれば見つけられる」最短経路へのルートだった。自分のマシンの特性を活かしていれば、他のルートを見つけることができるという。

上位入賞マシンがどのようなルートでゴールへ到達したのか、動画を見て欲しい。

3位「Batman(Hung Chung Yuan氏)」の記録は、13秒931。1回目の探索走行は、1分44秒244でゴール。新しい経路を見つけるたびに「チュウ」と鳴きながらゴール周辺を探索してスタート地点へ戻った時点で約3分が経過していた。2回目、3回目は中央の最短コースを選んだしたものの、クラッシュ。ここで迷路データをリセットしてしまい、再び迷路探索を行った。5回目で最速記録を出した。


【動画】3位「Batman(Hung Chung Yuan氏)」探索走行。


【動画】最速走行。記録は13秒931。

【画像6】Batmanの選んだルート。173歩68折


【画像7・8】Batman(Hung Chung Yuan氏)


2位は「Quartet(加藤雄資氏)」。記録は13秒053だった。丹念に全面探索をするQuartetを加藤さんは「どのくらい掛かるか心配です」と言い見守った。Quartetがスタート地点に戻ってきた時点で、残り時間は1分を切っていた。2回目の走行でラーメン渦の中を走りまわり、ナナメを一息に駆け抜けてゴールした。


【動画】2位「Quartet(加藤雄資氏)」の探索走行。途中でエラーが出て、探索に時間が掛かったようだ。


【動画】最速走行。記録は13秒053。

【画像9】Quartetの選んだルート。191歩44折


【画像10・11】Quartet(加藤雄資氏)


優勝した「こじまうす7(小島宏一氏)」は、ラーメン渦の中をぐるぐると回って39秒079でゴールに到達。この時点で暫定5位。こじまうす7は約5分で全面探索を終えた。
2回目にチャレンジは、ラーメン渦の外側を回ろうとして1つ手前を左折してしまい、クラッシュ。3回目は、ゴール手前直線のところにある最後の壁に阻まれた。4回目の走行でゴールに入り暫定1位。その後、スピードを上げて5回目を走り自己記録を1秒以上更新し11秒719を出した。


【動画】優勝した「こじまうす7(小島宏一氏)」探索走行。


【動画】最速走行。記録は11秒719。

【画像12】こじまうす7の選んだルート。187歩54折


【画像13・14】こじまうす7(小島宏一氏)


■注目マウス
ハーフサイズでは、15台中唯一5回全てゴールに達した「Mg(松井祐樹氏)」に注目したい。

松井氏はマウス歴わずか2年。昨年度初めてハーフサイズで出場し、今年は4位に入賞した。マウスの名前「Mg」は、自作の磁気式エンコーダーが由来だという。1000円のICと100円均一で購入した磁石で安価に作成したという。不要な磁気を遮蔽する方法に苦労したそうだ。

Mgは探索走行で57秒557でゴールした後、ゴール北側と東側を探索しながらスタート地点に戻ってきた。2回目に、ラーメン経由の最短ルートを18秒803で攻略した後、同じルートを3、4、5回と走るたびに自己記録を縮めた。

最速記録は、14秒672で4位に入賞した。松井さんの今後の活躍が楽しみだ。


【動画】4位入賞「Mg(松井祐樹氏)」の探索走行。


【動画】最速走行。記録は14秒672。

【画像15】Mgの選んだルート。191歩26折


【画像16・17】Mg(松井祐樹氏)


h4 決勝進出マウス(予選通過順、一部シードマウス)








講演「正確に走るためのパラメータ調整」

大会後、ハーフサイズ優勝の小島宏一氏(京都大学機会研究会OB)による講演が行われた。
迷路内を正確に走るための高い再現性を実現するために必要な、基本パラメータの調整方法を詳しく解説した。実際に小島さんが0.2%の誤差で再現性を保つために、どのような考え方をしどのように調整しているのかが語られた。
熱心にメモを取りながら、話を聞く学生が多く、熱のこもった講演会となった。

パワーポイントデータ:こちらからダウンロード

【画像33・34】講演会風景