ゲームの処方箋 5年の歩み
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1)フロー体験の観点によるゲームの評価研究

ゲームの効能の評価指標として、これまでの生理(ストレスマーカー、皮膚電位)や気分といった感情レベルの変化から、より高次の体験として「フロー」に着目。とくにマイクロフローという観点から、疲労や眠気の軽減といった効能に注目、最適なプレー時間や効果について実験的に検討しました。

●フロー(flow)……人がある行為に全人的に没入している時に感じる包括的感覚。その楽しさゆえに、他のものごとや時間さえ忘れるような状態。心理学者のチクセントミハイが提唱。一方、日常生活の中でなにげなく行っている動作や空想、たとえば落書き、喫煙、おしゃべりといったより浅い、小さなフロー体験を「マイクロフロー」と呼ぶ。

2)ゲームプレイ中の視覚注意機能の評価研究

前年度までは、ゲームプレイ中の実効視野(effective visual field)を視野制限法によって測定、ゲームによって異なる視野の使い方がなされていることがわかりました。当年度は視野制限によるパフォーマンスの変化に加え、眼球運動データの解析を行い、「視覚的注意」機能の使われ方がゲームの種類やプレイヤーの熟達度によって変化することを示しました。

3)

人間行動のダイナミクス解析によるガイドライン策定研究

「あそベース」において99家族、273人の行動を記録したICタグデータを取得(有効データ191人分)。ARモデルによる周波数解析を行い、親子の行動パターンの特徴を抽出しました。遊び場の利用頻度、滞留時間、親の子供への注意や親子の「つかず離れず度」など、遊育施設のデザインにおいて重要な条件について統計的に解析・考察を行いました。

4)

感情・情動など内省的な感覚を引き起こす空間創出に関する基礎研究

遊育施設を含むさまざまなイベント施設のもつ「異化作用」に注目。非日常性の演出に関しては、個々の演出家・イベンターなどには暗黙的な知識が蓄積されていますが、その科学的根拠は解明されていません。たとえば、禅寺での座禅の空間、祭りの縁日の空間、有名な建築空間などが癒しや活性化といった効果を引き起こすのはどんな要因があるのか。まず第一段階としてそうした空間の視察・調査を行い、「内省的な空間」創出のための方向性について考察しました。

99のなみだ
◎プロジェクトから派生した『99のなみだ』発売 
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